今年を振り返って

今年の忘年会ですが当院スタッフが全員集合しました。
一年いろいろありましたが、来年もよろしくお願いしますということで・・

さて、普通ですとどんなに小さな職場の経営者であっても、気分的にこの時期には今年を振り返るとか来年はどうしたいとかなどの考えがあっても不思議ではありません。
私自身考えてないこともないのですが、毎年形に残していないのでついつい時間とともに流されてしまっていたと思われます。
ですが、やはりこのブログの存在意義は大きく、書き残しておこうという気持ちが出てきたのかもしれません。
さて、来年ですが少し考えていることがあります。
それは「見直し」です。
今までしてきたこと(中途半端で終わったこともたくさんあります)が本当に必要だったのか?
無理はなかったのか?
きっちり形にしたいのか?
それとも全くこの場からはずしてしまうのか?
また、今まで以上に持ち越しながら考えていくのか?
今回のブログ内容はまったくアバウトですが、また読み返して年末にこんなことを書いていたのかとの戒めにしたいと思っています。
開業して23年の歳月が過ぎた当院ですが、少し改築も余儀なくされているようです。
いろいろじっくり考えたいと思います。
最近、診療終了後に時間が少しでもあれば近くのスポーツジムに行くようにしています。
そこのサウナルームは私にとっての貴重な癒し空間になっています。
あの暗さがちょうど考えるのに適しています。
今年は汗をかきながら修行僧のようにじっくり考えることにします。
ただ問題なのはそこで思いついたことを記憶に留めておきたいのですが、家に帰って冷たいビールを飲んだ瞬間にほとんど忘れてしまっているようなので、この悪循環の繰り返しを何とかするのが来年の課題となりそうです(笑)

院長ブログ 2012.12.28
『深夜特急』とある若い歯科医師

以前にも『深夜特急』という本についてブログで紹介したことがありますが、この本は沢木耕太郎がデリーからロンドンまでの2万キロの道のりを乗合バスだけでユーラシアの果てまで一人旅をする話です。その沢木耕太郎に憧れていたからこそブログをスムーズに始められたのは間違いではなく、「また、ヨコタがアホなこと書いとるわ」と罵られてもそれはそれで・・(苦笑)
この『深夜特急』に続編(マニアは最終便という)となる『深夜特急ノート旅する力』という本が出版されていたのですが、本屋さんでの立ち読みでいきなりこの本を発見することになりました。
出版を知らず(自称深夜特急マニアが聞いて呆れますが・・)にいましたが、本を手に取られたことがある方ならわかると思いますが、表紙のイラスト、字体、色などが独特のものでそこは一瞬で理解できました。
さてここからが本題ですが、読み終えた後に何気なくパラパラと「あとがき」に目を通していると私にとってはたいへんな出来事に遭遇することになります。
それは静岡でのサイン会場で起こったものですが、以下少し長くなりますが本文282ページからの内容を掲載します。
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私(沢木耕太郎)のサイン会では、サインをしている間、相手の方に机の前に用意した椅子に座ってもらう。そして、いろいろな話をしながらサインをすることなっている。ひたすらサインをしつづけるより手も疲れないし、どんな人が読んでいたかもよくわかる。その静岡で、列の中ほどに並んでくれていた若い男性が、ようやく順番が回ってくると、嬉しそうに話しかけてきてくれた。
「お会いしたかったです」
「ありがとう、あなたはどんな仕事をしているのですか」と本にサインをしながら訊ねた。
「歯科医師をしています」
それは意外だった。私は旅が好きな大学院生か入社何年目かの会社員かなと思っていたからだ。
「すると、あまり長期の旅行はできませんね」と私が言うと、その若い歯科医師はいかにも残念そうにうなずいた。
「そうなんです」そう言ってから、男性はこう続けた。「だから、いまようやくローマに辿り着いたところなんです。」
私はその言葉の意味がわからず、サインをする手を休めて男性の顔を見た。「ローマまで来るのに七年かかりました」それを聞いて、一挙に理解できた。彼は、私の『深夜特急』のルートを、休みのたびに、少しずつ歩いているのだ。そして、七年間の細切れの休みをそれに充てることでようやくローマに到着したのだ。
「もしかしたら・・」
「ええあと二・三年でロンドンに着きたいと思っているんです」それを聞いて、列に並んでいる人の中から嘆声が洩れた。私もまた心を動かされていた。時折、私の旅のコースをなぞって旅をしているという若者の話を耳にすると、もっと違う旅をした方がいいのではないかなと思うことが多かった。しかし、この歯科医の男性の旅は、ある意味で、私の旅以上に夢があるように思える。いいなと思った。(深夜特急ノート「旅する力」:P282?284)
このエピソードの凄いところは、一つがこの若い歯科医師の旅を沢木耕太郎本人に知ってもらえたことである。
そして二つ目が、『あとがき』など全く読む習慣のない中年歯科医師の私が、今回に限ってここを読んだことである(笑)

院長ブログ 2012.12.15